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2019-01-11
「電子デバイス産業新聞」新聞記事


吉永商事 代表取締役社長

陳 海龍氏

よりインタビュー


    吉永商事㈱は、日本から中国向けの半導体製造装置、資材販売を行っている専門商社である。中国の半導体設備投資の活況を背景に急成長しており、日中で拠点を拡充してさらなる事業拡大を図っている。


――御社設立の経緯と事業概要を。

    陳 近年の中国での半導体産業の発展では、製造装置を日本や米国から輸入するのが一般的である。しかし中国には半導体製造装置に対する知見を持った人材が不足しており、一方で日本や北米メーカーは中国の商習慣に明るくないという問題があった。私は日本の半導体製造装置メーカーに在籍した経験を持ち、中国の半導体メーカー関係者とのパイプも持っていた。そこで半導体製造装置と中国の商習慣の知識を組み合わせたビジネスを立ち上げようと、2013年8月に当社を設立した。

    シリコンウエハー加工装置の販売からスタートし、14年ごろからは光通信デバイス向けが拡大した。MEMSやパワーデバイス用も扱っている。金額ベースではシリコンウエハー加工装置が主力だが、ボリュームとしては光通信デバイス用の比率が大きくなっている。中国での半導体設備投資の活発化を背景に、17年からはシリコンウエハー加工装置の大型案件が増加している。今後立ち上がる新規工場向けで、1819年にかけては高水準の出荷が続く見通しだ。

――他社と比較した際の強みは。

    陳 半導体製造装置に関する知識と中国の商習慣に通じていることに加え、現地顧客向けのサービス体制を整えていることだ。北京、上海、武漢に営業・サービス拠点を置いており、現地顧客に対するパーツ、消耗部材の供給や修理手配といったアフターサポートが行える体制を実現している。今後の需要拡大に伴って拠点の拡充を計画しており、華南地区に18年末~19年初頭ごろに新設する。

――横浜に営業所を開設した。

    陳 新横浜に営業所を開所し、8月1日付で業務を開始した。関東エリアにおける装置メーカーとの関係を強化し、新規ビジネスの開拓を加速させる。1名体制でスタートしたが、18年内にはアシスタントも含めて3~4名体制に拡充したい。

――今後拡大を目指している商材、分野は。

    陳 これまで後工程装置の取り扱いが中心だったため、CMPやイオン注入、洗浄装置などの前工程装置のラインアップを強化したい。装置メーカーとの関係を密接にすることに加え、知識を持った人材も拡充する。前工程装置を増やせば、中国での設備投資が拡大しているメモリーにも参画しやすくなると期待している。

    また、スマートフォンの顔認証用に需要が拡大しているVCSELやSiCデバイス向けを強化している。VCSELは酸化膜形成装置、SiCデバイスはレーザーアニール装置の販売実績が出てきた。ほかにも300㎜ウエハー向けエッジ加工装置を拡販している。

    従来は装置販売が中心だったが、今後は消耗品や材料の提供を拡大させたい。現状は日本から中国への販売のみだが、中国製品の日本企業への紹介にも取り組む考えだ。当面は中国市場に集中するが、将来的に東南アジアで半導体市場が立ち上がれば進出を検討する。

――今後の業績目標を。

    陳 中国の半導体設備投資の拡大により、当社の売り上げは急成長している。18年度は10億円規模を見込んでいるが、今後はさらに成長を加速させる。3年後に50億円、5年後に100億円の売り上げを目指す。

「電子デバイス産業新聞」 913日記事